剣を収めよ
今週のお題「何して遊んだ?」
中二か中三の時、同じクラスで当時仲の良かったGとKと3人で「三銃士ごっこ」をして遊んでいた。
三銃士ごっことは、ブレザーの胸ポケットに3~4本のまち針を差し、それらを剣に見立てて、騎士道を重んじる者たちの間で起きる揉め事を演じるというもの。
例えば、談笑に興じている最中、ふとしたことで摩擦が発生した場合、互いの威信を賭けブレザーの胸ポッケに手を伸ばす。
抜いたが最後、もう後戻りはできない死闘が始まる。
だがしかし、そこはどちらも紳士、一瞬でブレーキが掛かる、それぞれに背負った使命や歴史がある。守るべき部下、郷土、家族がある。一時の感情に端を発した無益な争いにより、今まで築き上げてきた全てが台無しになるかもしれない。
「剣を収めよ」
どちらともなく発したその一言で、双方歯を食い縛りながら手にしたまち針をゆっくりと鞘(胸ポッケ)にしまう。
以上が一連の流れ。
映画の登場人物になったような感覚が快感で、ピーク時には休み時間の度に摩擦を起こし、何度も何度も剣を収めていた気がする。
そんなささやかな楽しみも、他のクラスメートからの先生への進言により、先生からまち針三銃士への落雷という形で幕を閉じた。
昔の楽しかった遊びの思い出。